スプーン一匙の物語

ツイッター(@maru_ayase)で書いた短い短い小説の保管庫です。

にじゅに

出会った時から心奪われた。丸い瞳、薄桃の頬、つむじの匂い。上等なものを生み出した誇らしさもあった。這い、立ち、私へ向けて歩き出す。なつくのだから情も湧く。人格は後から知った。心でも脳でもなく、私の構造がこの子を愛しているのかもしれない。それは寂しいことか。まま、と甘い声が呼ぶ。