スプーン一匙の物語

ツイッター(@maru_ayase)で書いた短い短い小説の保管庫です。

さんじゅく

ほんとに内臓ぜんぶ入ってる?と聞かれた。そんなの俺が知りたい。どんなに鍛えても厚くならない俺の体。彼女は俺の胸に耳を当て、吸ってー吐いてーと楽しげに歌った。深呼吸する。お、肺はあるね。お腹ごろごろ、胃もあるね。冷たい耳が肌を下りていく。心臓は確かめるまでもないね。うるさいなあ。