スプーン一匙の物語

ツイッター(@maru_ayase)で書いた短い短い小説の保管庫です。

にじゅいち

巨大な山を登っている。周囲は暗くてやけに血腥い。どうしてここにいるんだっけ。暗いうちに足を動かせと教えてくれた人はもういない。既に俺もそれなりの前線を曳いているからだ。曙光が差す。荒涼とした屍の山を見上げる。そう、頂上の景色が見たかったんだ。目が眩んでも、足を止めてはいけない。