スプーン一匙の物語

ツイッター(@maru_ayase)で書いた短い短い小説の保管庫です。

じゅうく

はじめに、予感がした。僕はこの女にずたぼろにされる。可愛くて傲慢で飽き性な彼女は、来た時と同じ荷物を持ってあっさりと部屋から出て行った。プレゼントした大量の服も靴も、見事に全部残された。いらない、と言われることはなんて苦しくて気持ちがいいんだろう。クローゼットの前でむせび泣く。