スプーン一匙の物語

ツイッター(@maru_ayase)で書いた短い短い小説の保管庫です。

よっつめ

恋に落ちた。彼女の肌を味わいたいと甘い空想が止まらなかった。そんな僕を彼女は怯えた目で見た。元気だせ、と僕の左腿に棲む蛇がしゅるしゅると喉を震わせる。こう見えて案外いい奴なのだ。また彼女に会った。走って逃げるスカートから、かすかな鳥の羽音が聞こえた。だからうまそうに見えたのか。