スプーン一匙の物語

ツイッター(@maru_ayase)で書いた短い短い小説の保管庫です。

さんじゅにー

少し遅れる、と連絡が入った。道が混んでいて、けがをして、病気になって、しるべをなくして辛いんだ。出席者達は顔を合わせた。迎えに行こうにもテーブルの周囲は闇に閉ざされ、道は見えない。火を焚こうと一人が言った。遠くからでも見えるように。あの人の目に、一つでも美しいものが映るように。