スプーン一匙の物語

ツイッター(@maru_ayase)で書いた短い短い小説の保管庫です。

にじゅうなな

私たちはレコーダーだ。それぞれ吹き込まれた曲を一つずつ覚えている。姉は頬を、私は耳の後ろを押されたら歌う。どれだけ気が乗らなくても歌う約束だ。私は姉が選んだ曲を中身すかすかのゆるふわ曲だと思ってるし、姉は私が選んだ曲を頭がおかしい電波曲と酷評する。それでも時々お風呂で練習する。