スプーン一匙の物語

ツイッター(@maru_ayase)で書いた短い短い小説の保管庫です。

にじゅうく

終わりの浜で、彼は炎に焼かれて座っていた。待ったぞと招かれて心が弾む。私の肩を抱いて喋り出した。苦痛や不幸、呪いの深さ。気弱な私は彼の憎悪に魅せられ、欠損を埋めることを自分の使命とした。炎が肌を舐めていく。二人とも誰でもよかったのだ。一塊で燃え崩れながら、ふと見上げる紺碧の空。