スプーン一匙の物語

ツイッター(@maru_ayase)で書いた短い短い小説の保管庫です。

じゅうに

生き残りたければ鍋を持ち歩きなさい、とお告げが下った。シチュー鍋片手にデートへ向かうと、お前のそういうところが嫌いだったと彼氏にふられた。帰り道で財布と鍵をなくし、部屋に入れなくなった。怖くなって頭に鍋を被る。ふいに他の住人が出てきて私の頭に鶏を乗せた。冒険が、始まってしまう。