スプーン一匙の物語

ツイッター(@maru_ayase)で書いた短い短い小説の保管庫です。

ひとつめ

久しぶりに父母の夢を見た。両親をどこか海っぺりのこじゃれた観光地へ連れて行こうとする夢だった。いいじゃない、と言わせたくて沢山のガイドブックをめくり、移動手段をつなぎ合わせ、旅のしおりみたいなものを作った。幸せでも、あまり両親の顔を見てはいけない。そこから夢が破れるからだ。